メリットも多いGIGAスクール構想には問題点も存在します。ここでは、GIGAスクール構想のメリット・デメリット、実現のために必要なことを詳しく紹介します。これらを把握して理解を深めていきましょう。
教員のITリテラシーが不十分なことで、ICTを活用した指導が行えない可能性があります。中にはパソコンやソフトウェアを上手く使いこなせない教員もいます。この場合は、研修を実施して知識を身につける必要がありますが、通常業務に追われて時間が取れない恐れも。また、日々急速に進化する技術についていくのが難しいと感じることもあるでしょう。
トラブル発生時・自宅学習時の対応や、教育委員会との協力体制が運用面での課題となります。これができていないと、専門的な知識を持つ人材の不足により、システムに問題が生じた際にスムーズな対応ができない。市の状況によってICTの活用場面が制限されてしまうなど、運用の妨げになる恐れも。生徒がタブレット端末を家庭に持ち帰る場合は、安心して活用するためにルール整備も必要になります。
インターネットなど外部との接続機会が増えると、マルウェア感染や不正アクセスなどのセキュリティリスクの高まりが懸念されます。児童生徒がITの知識が浅いまま使用することで、知らず知らずのうちに重要な情報が流出してしまうこともあるでしょう。学校での指導に加え、家庭でもセキュリティ対策を行い、トラブルを防止する必要があります。
従来の授業ではできなかったことが、実現可能になります。プログラムを書いたり、インターネットを利用した調べ学習が簡単にできるようになったりと、授業の幅が広がることで情報化社会で必要となるスキルを磨けるようになります。
データで情報をやり取りできるようになり、情報共有がスムーズになることもメリットの一つです。情報をデータで管理できるようになるため、口頭や印刷物のやり取りで起こっていたトラブルもなくなるでしょう。
タブレット端末の使用によって手書きによる学習機会の減少し、手書き学習の効果が減少する可能性があります。手書きには、記憶の定着や理解力向上など、様々なメリットがあります。今後はますます情報機器の使用機会が増加し、この傾向が高まっていくでしょう。
いじめや依存症、誘拐などの犯罪に巻き込まれるなど、危険も多いSNS。タブレット端末やコンピュータに接する時間が長くなることで、SNSトラブルのリスクが増加するのではないかという心配の声も上がっています。
GIGAスクール構想の実現には、教員がコンピュータやクラウドを使いこなし、メリットや必要性を理解することが重要です。そこで、通常業務の中で少しずつクラウドを活用してスキルを高め、ICT教育がスムーズに進められるようになることが求められます。
ICT活用によって、情報活用能力がどの程度向上したかを確認するために、評価体制を整える必要があります。学習の明確な成功基準を定め、アンケートやテストを実施して学習到達度を確認することが、ICT教育の成功につながります。
ICT教育を推進するうえで重要なのは、どのポイントに焦点を当てるかです。
文部科学省が教育を推進しているのが、下記の3つになります。
今後ますます求められるのが、情報社会を生きるために必要な知識や考え方のベースとなる情報モラル、問題解決力を養う情報活用能力。そして問題解決力を養うためのプログラミング。自分のお子様、あるいは抱えている生徒のどの部分を育てていきたいかを考えながら選ぶことが大事です。下記に「基本操作・情報モラル」「問題解決・探究力」「プログラミング」が学べるツールを紹介しています。