ICT教育はメリットが多くある反面、導入・運営をする上で教師に負担がかかってしまう可能性もあります。ここでは、ICT活用の課題や課題解決方法を紹介。負担削減方法を知り、ICT教育のメリットを最大限活用しましょう。
文部科学省では、ICT環境の目標水準を設定しています。具体的には、学習者用コンピュータを3クラスに1クラス分程度整備すること。この他にも、無線LAN設置・超高速インターネットの接続率100%。普通クラスに1台ずつ電子黒板を整備するといったことが定められています。
しかし、実際には学習者用PCの配布率・超高速インターネット接続率は目標水準に迫っている反面、無線LANの設置率は伸び悩んでいるのが現状です。また、普及率に地域差がうまれている点も問題になっています。
ICT教育はインターネットに安定して接続できる環境作りが求められます。実現するには、全校生徒が使用した場合に問題なく使用できるのかなど、各学校に合わせた様々な想定をしなければなりません。その上で無線LANやソフトウェアを整備し、使用していくうちに問題が発生すれば、改善を行う必要もあるのです。このようなネットワーク環境の整備によって、校務が増加することも考えられます。
ICT機器を利用するには、ネットリテラシー教育が必要になります。知識が浅い状態で機器を使用してしまうと、個人情報流出やマルウェア感染などのトラブルに巻き込まれるリスクが高まってしまうためです。こどもたちに指導を行うには、まず教員が指導方法や知識を身に付けなくてはいけません。また、あらかじめリスクを考えて対策をすることも求められます。
オンラインプラットフォームの活用をすることも、教師の負担軽減のために有効です。オンラインプラットフォームとは、WEB上で利用できるサービスのことを指します。アカウントを取得すれば、無料で使用できるものが多い点が大きな魅力です。WEB上で利用できるので、ソフトウェアをインストールする必要がなく、運用や管理も簡単になります。
外部に業務の一部を委託する、アウトソーシング。上手に活用することで、人員不足の解消だけでなく、専門知識を取り入れられるなどのメリットが得られます。外部委託により、ネットワークの運用・管理、環境整備にもつながります。教師の本来の業務である、授業の準備や生徒と向き合う時間に多くの時間を使えるようになります。
モラル教育などを行うツールを活用することも、校務の削減に有効です。ICT教育を行いたいと考えていても、通常業務に追われているとなかなか導入や指導が進まない場合もあります。そんなときは、国や自治体が派遣するアドバイザーや支援員に助言を求めるといいでしょう。上手くツールと活用することで、教員の負担軽減が期待できます。
ICT教育を推進するうえで重要なのは、どのポイントに焦点を当てるかです。
文部科学省が教育を推進しているのが、下記の3つになります。
今後ますます求められるのが、情報社会を生きるために必要な知識や考え方のベースとなる情報モラル、問題解決力を養う情報活用能力。そして問題解決力を養うためのプログラミング。自分のお子様、あるいは抱えている生徒のどの部分を育てていきたいかを考えながら選ぶことが大事です。下記に「基本操作・情報モラル」「問題解決・探究力」「プログラミング」が学べるツールを紹介しています。